タイムスリップをテーマにした作品です。江戸時代から180年後の現代の東京に、ちょんまげ姿の侍が迷い込んできます。
木島安兵衛と名乗る侍は、25歳の超おやじ顔で“ござる”が口癖。江戸への戻り方を思案している中、遊佐ひろ子と息子の友也に出会います。二人は困っている安兵衛に情が移り、半信半疑でその謎の男を家に招くことに。三人の不思議な生活が始まります。
恩義を感じた安兵衛は、うち向きの手伝いに努めます。炊事、洗濯、掃除などを完璧にこなし、友也の遊び相手にもなってくれます。シングルマザーのひろ子は、頼もしい主夫に惹かれていきます。あらゆることを学んでいく安兵衛は、特にお菓子作りに才覚をあらわして、出場したコンテスト後、あっという間に有名人に。お菓子作りに夢中になる安兵衛は、無事に元の世界に戻れるのか。
ちょんまげ姿の侍が、戸惑いながらも現代の東京になじんでいく展開は楽しめます。安兵衛は現代の家庭や仕事の有様に“それはならぬ”と喝を入れて、間違いを正します。格言も多い作品ですね。