恋愛小説の名士が贈る一冊。妊娠や出産をテーマにした内容です。切迫流産の場面には、ドキドキして息がつまりました。
編集の仕事に夢中だった千花子が妊娠。生むことに迷いを抱いていたけれど、夫・一斗の後押しで出産を決意します。仕事を続けながら、妊婦として日常を送っていく千花子は、出産や育児に対する社会の遅れを知ります。流産経験のある女性、不妊治療をしている女性、流産してしまった女性など、周りの同士と触れ合いながら、赤ちゃんとの対面を果たします。
小さな章立てが71もあり、場面展開が早く感じて少々読みづらいと感じました。描写内容が重なってしまっているからです。作者には、「池袋ウエストゲートパーク」のような社会風刺の小説がやはり合うと思います。
全国の女性が読んで欲しい一冊です。それに、男性こそ、読んでみたい本かも知れません。男性が書く恋愛小説は、どこかくすぐったい部分もありますが、とてもタメになります。