前々から気になっていた向田さんの作品を読んでみました。
爆笑問題の太田さんがファンだということで、興味津々。
5編の短編が詰まって作品で、もちろんどこから読んでも楽しめます。
僕は最後の「春が来た」が好きですね。
女性の恋愛観がまことしなやかに読み取れます。
「さようなら!」と女性が好意を抱いている男性に向かって言う場面は、
心からグっときました。
こんな大事な言葉でも、この作品はさらりと言いのけているから感慨深いです。
その他の短編も面白いですよ。
解説にもある通り、作者は女性の心情を書くのがすごくうまい。
例え失恋したって、どこか前向きなんですよね。
男性はもっとがんばろうと、励まされるようにも読み取れます。
ドラマの脚本も書かれていることに納得です。
人間をどうみていらしたのか、もっと知りたくなりました。
作者が飛行機事故で亡くなられたことは、
あまりにも惜しいです。